Parabolic painting

曲面絵画

ブライアン・ウィリアムズは絵画表現に対して「臨場感」という表現をよく使う。
これまで写生に出かけパノラマサイズの水彩画を手がている。
「人間の視野は左右に広がっていてパノラマである」と。
絵画表現の画面比率より人間工学的な切り口はこの頃から潜在していた。
貪欲に空間と光を追ってきた現場主義の風景画家だからこその捉えかた。
平面の具象画がイリュージョンの追求だとすれば、科学的、工学的な側面をもつ
ブライアン・ウィリアムズから「曲面絵画」が生まれるのは必然的な流れである。
それは、人間の進化の過程のよう。
二次元の媒体に三次元要素を組み込んだ実験的な絵画表現。
バーチャルの時代に呼応し、そして背をむけるかのように。
展示空間さえ巻き込む独自のフォルムから新たな発見が生まれる。